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6章:後悔 (20/20)

みみ: でも…もう今さらかも知れないけど……

吉井: ……


吉井は下を向き、目を強く瞑った。


みみ: それでも吉井くんが……好きだったの…

吉井: ……

みみ: すごく好き…!!


吉井は顔を上げる。


みみはそっとその顔を覗きこんだ。


みみ: よしいくん…?


吉井は立ち上がり、尻をはたいた。


みみ: まってっ…!


みみも慌てて立ち上がる。


吉井: 駄目だ

みみ: なんでっ…!

吉井: 前みてぇになんて……


みみは吉井の上着を強く引っ張る。


みみ: こっち…見て!!


吉井はゆっくり振り返り、向き合った。


みみ: いつでもいいんでしょ…?

吉井: えっ…


みみ: 吉井くん、言ってたよ!……キスした日……

吉井: ……


吉井のうるんだ目が、みみを見据える。


みみ: 俺はいつでもいいって……待っててやるって……




バサッ、と紙袋が音を立て落ちる。

吉井はみみのその華奢な体を、力一杯抱き寄せた。


初めてだ。


こんなに強く抱き締められるのは。


みみはその頼りがいのあるしっかりとした胸に顔を埋め、声を出して泣いた。


みみ: ごめっ……いままでっ……


吉井は黙ったままだ。


しかしみみは分かっていた。


それが不器用で照れ屋で大胆な、吉井の想いそのものなのだと。


泣きじゃくるみみの小さな頭をぽんぽんと叩きながら、吉井は言った。


吉井: 卒業したら、こっち来い

みみ: えっ…?

吉井: 待っててやるからよ……グズ!



足元に転がった紙袋。

一枚の絵が飛び出していた。


『だいすき吉井くん!!引っ越しちゃうけど、みみはなかないから。いつか帰ってきたら、みみのことおよめさんに、してね!』


ムスッとした吉井の似顔絵。

その隣にはバスケットボールを持ったみみの笑顔と、7色の大きな虹が描かれていた。





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みみ ©著者:まお

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