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2章:壊れる気持ち
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手紙を書いたのなんて久しぶりだった。何を書いていいのかわからず、2ヶ月間の想いと、嫌なら無視してくれて構わない…と書いた。
「佐々木、休憩いただきます」とインカムで言い終わると急いで休憩室に入った。今しかない。誰も休憩室に入らないことをインカムを聞きながら確認する。男子更衣室に入り裕貴くんのロッカーを探す。
「み・ず・の…あっ」あった。ロッカーには鍵がついている。でもほとんどの子が鍵を閉めない。裕貴くんもその一人。
その時、インカムから早紀ちゃんの声が聞こえた。
「堀口、休憩はいりまーす」
(だめだぁ。あと少しだったのに)私は急いで男子更衣室から出た。
「冬子ちゃん、聞いてよぉ〜」早紀ちゃんが少し興奮気味に言った。彼氏と喧嘩したらしい。私はそんなことより手紙のことで頭がいっぱいだった。
お昼。またインカムを聞きながら男子更衣室に入って裕貴くんのロッカーを開けた。
「うわっ!」服が飛び出してきた。脱いだ服が思いっきり詰め込められていた様だ。
(可愛いなぁ)と少し笑った。
飛び出してきた服を拾うと、ポケットから鍵や財布も落ちてきた。愛しくなってまた笑った。
そしてロッカーを閉めた。
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壊れる―コワレル― ©著者:あおい美咲
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