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4章:壊れる愛
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―ガッシャ〜ン。
彩花ちゃんが、運んでいたお客さんのドル箱を落とした。2箱分の玉が四方八方に転がり、お客さんは激怒している。
(あ〜あ)私は近くにあった玉を拾い集めた。
裕貴くんも拾っていた。遠くから彩花ちゃんに、口の動きだけで「だ・い・じょ・う・ぶ?」と聞いていた。
裕貴くんは彩花ちゃんが好きなの?私たちの関係はそんなものだったの?愛し合っていたよね?やっと見つけた愛なのに…私は心の中で怒り狂った。
今日もまた、裕貴くんの家に来た。完璧に掃除をして、お腹を空かせて帰ってくる裕貴くんの為にご飯を作って帰りを待った。
(渡さない。誰にも…私の愛する人を)
ガチャン。鍵の開く音がした。
(裕貴くん、驚くかな)
ここに来ているのは内緒だった。喜んでくれるだろうと私は静かに笑った。
裕貴くんは驚いていた。言葉を失うほど。
「…冬子さん、なんで…なんで冬子さんが…」裕貴くんは‘なんで…’を繰り返した。
「どうして俺の家に…。どうやって入った?…もしかして今までのマグカップとかも冬子さんか?なんで…なんで…」
「何を言ってるの?」
(壊れる…壊れる…いや━━━!)
私の中の何かが壊れた。
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壊れる―コワレル― ©著者:あおい美咲
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