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14章:「オレの名は、」 神の声。 (1/9)

14章:「オレの名は、」 神の声。

 オレは昼過ぎに目が覚めた。

 ソファーで寝ていたようだ。

 テーブルの上の山盛りになった灰皿を見て、朝方まで北山と最近の六本木事情や世間話をしたのを思い出した。

 床にはテーブルを囲うように、くの字にして寝ている北山がいた。

 オレの中でまだ若い北山が、後輩のキンヤとダブった。

 事務所といえど普通のマンションの一室。

 スヤスヤと寝ている北山の寝顔と、普通の日常生活での部屋を見渡し、出所した事を改めて実感した。


 カーテンの隙間から光が溢れる。


 オレはカーテンを開け、ベランダからのどかな風景をしばらく眺めた。

 わずかな希望の光を胸に出所したオレ。

 実際に出所すると、こんなにも温かい光がオレを祝福してくれていた。


 長かった刑務所生活。

 孤独に耐えた三年半。


 オレの空白の三年半の隙間を温かい光が埋めてくれた。

 会う事を諦めたケーコ、まだ見ぬ娘、岡山に残したキンヤ。

 置いてきたオレの大事な想い出が少しずつ甦り


「会いたい。」


気持ちへと進化していった。



 そして今日、藤江と会う……。

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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義

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