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12章:「オレの名は、」 三年半後の六本木。
夕方に起きた真鍋は、黍野が手配してくれたホテルにいた。
スーツの内ポケットを探ると、会長に貰った三百万がそのまま残っていた。
二日酔いで、うる覚えの昨夜の事を思い出す。
よく思い出すと真鍋は、金を払った記憶は無く、全て黍野が接待してくれていた。
ズボンのポケットには、携帯電話が入っており、よく見るとメールが入っていた。
最新のケータイの操作に戸惑いながらメールを見ると
「090ー****ー**** リュウ 起きたら連絡下さい。」
と黍野からのメールだ。
二日酔いのため、すぐには連絡せず、ホテルのテレビをつける。
テレビを見ると、見たこともない芸人やタレントなどが出演していて、三年半の刑務所暮らしがいかに長かったのかを実感した。
番組の合間に、ポカリスエットのCMが流れた。
一瞬ケーコの事が頭をよぎる。
しかし、長い刑務所生活によって、ケーコと会う事を断念した真鍋はテレビを消した。
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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義
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