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11章:「オレの名は、」 龍吉丈一郎。 (1/6)

11章:「オレの名は、」 龍吉丈一郎。

 麻布にある事務所に着く。


 事務所に入ると、当番をしている若い人に、お辞儀をされる黍野。


真鍋「お前も偉くなったなぁ。」


 照れる黍野。


黍野「ヘヘッ。」


 事務所の奥の部屋に入る。

 部屋には龍吉会長が座っており、真鍋の顔を見るなり笑顔で迎えいれてくれた。

 龍吉会長は50代半ばで、白髪混じりの口ひげで貫禄のある雰囲気だ。


真鍋「ジョーさん、久しぶりです。」

龍吉会長「おお、おお、元気だったか?」


 真鍋の体をポンポンと触り喜ぶ龍吉会長。


龍吉会長「刑務所ん中でも、随分と暴れたみたいじゃねぇか。」

真鍋「いえ、自分が未熟なばっかりに長引いてしまって。」


 真鍋は謙虚に答える。


龍吉会長「ケータには感謝しとるんよ。六本木の時からもそうだし、その後もええ若いのを紹介してくれて。」


 龍吉会長は頼もしそうな表情で、チラッと立ったままの黍野を見る。


黍野「はい。真鍋さんには、いい就職先を紹介してもらって感謝してます。」


 ニッコリ笑いながら

龍吉会長「まあ、座れや。」


 真鍋はソファーに座る。
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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義

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