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9章:「オレの名は、」 微かな光。 (1/5)

9章:「オレの名は、」 微かな光。

 藤江はというと、仕事で忙しいのにも関わらず、頻繁に面会に来てくれていた。

 池袋の新店<フットチョーク>が成功し、<チョークグループ>での真鍋の後を継ぎ、本部長の役職に就いた。

 オープンして僅か三ヶ月で、池袋の並みいる強豪店を抑え、<フットチョーク>は池袋を代表するNo.1のキャバクラへと成長した。

 <フットチョーク>が快進撃を続ける中、池袋のキャバクラの勢力図を塗り替えるべく、六本木から新たなライバル店の進出が決まった。


 真鍋と藤江と因縁浅からぬ、<ムーンサルト>の池袋への進出だ。


 面会に来た藤江から聞いた真鍋は、心の中でケーコのいない<ムーンサルト>に勢いは無く、<フットチョーク>の脅威ではないと、悟っていたので気にはしていなかった。

 が、藤江の口から信じがたい事実を聞かされる事に…。

 <ムーンサルト>の池袋での新店の名は<ライオンサルト>。

 <ライオンサルト>の指揮を取るのは、真鍋と藤江が六本木の居酒屋で揉めた、当時の一之瀬かすみの担当マネージャーだった、冬木広道だ。

 しかも<ライオンサルト>の目玉として、六本木でNo.1だった一之瀬かすみが移籍するという話だった。
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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義

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