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9章:「オレの名は、」 微かな光。
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その事実を聞いた真鍋は、驚きを隠せなかった。
本来であれば、すでに<ムーンサルト>を辞めている時期なのに何故?
藤江から聞いた話によると、真鍋が刑務所に入っている間も、普通に出勤している姿を見かけたと言う。
その後、<ライオンサルト>が池袋に進出してから、<フットチョーク>をNo.1の座から引きずり下ろすのに、時間はかからなかった。
やはり、六本木No.1キャバ嬢の一之瀬かすみの知名度と、先頭に立って指揮を取る、冬木の存在があまりにも大きかった。
その頃を境に、藤江からは覇気が無くなり、真鍋の面会に来る回数も減っていた。
そして黍野が出所した時期と同じ時期に、それ以降、藤江が面会に来る事は無かった…。
ケーコは、一度も面会に訪れる事は無かった…。
始めは真鍋も面会に来ていないケーコの事を疑ってはいなかった。
罪を被った真鍋に気を使い、なかなか面会に来れないのだろうと思っていたが、日が経つにつれ信じ難い事実を耳にする度、真鍋の脳裏に疑心がよぎる。
冬木は色管理で有名な男だった。
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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義
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