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8章:「オレの名は、」 黍野龍。 (2/9)

 真鍋も、刑務所では早く出たい気持ちが強く、トラブルを起こさまいと、なるべく人との接点を避け口数も少なかった。

 食事の時も黍野は、いつも部屋の隅でオドオドしながら一人でいた。

 その黍野の図体はでかく、尚且つ全身に刺青が入っているため、非常に目立っていた。

 そんな不思議な黍野に、真鍋は興味を持ち、一人寂しく食事をしている黍野に声をかけたのが、仲良くなったきっかけだった。


 二人の会話の内容は他愛の無いものだった。

 お互いに過去の事は話さず世間話ばかりしていた。

 最初は黍野の事を気の弱い男だと思っていたが、話していくうちに真鍋は、自分と同じ匂いを感じるようになっていった。

 しかし真鍋は黍野の事を詮索せず普通に接していた。

 おそらく黍野も真鍋に対して同じ匂いを感じていたが、真鍋同様に何も詮索せず平和な日々が続いた。



 刑務所に入って、半年が経った頃、黍野からあと一ヶ月ちょっとで出所する事を聞いた。

 真鍋は自分の事のように喜び、黍野を祝福した。

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『回収屋』〜光と影〜 ©著者:奈義

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