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2章:sonata (2/38)



「樹くん、特別コースに行く事をお勧めします」


「特別コース…ですか…」


母は俺を見た


「でもうちには…そんな才能もないですし、特別コースなんて…」


「いえいえ、そんなことないですよ!
樹くん、ピアノが歌うように弾けていて「結構です」」


ピシャリと言った母の言葉は今でも覚えている




帰り道母が言った


「才能があれば、特別コースなんて受けなくても…
そんな無駄にお金使う必要なんかないわよねえ」



俺に話しかけていたけど


何となく、母の独り言のようにも聞こえたんだ



”特別コース”って言うのが、当時、どんなものかはわからなかったけど

俺には受ける資格がないコースなのかな、なんて思ったんだ


母は俺に何も聞かずに決めていたから、大人が決める事なのだと…そう思っていた



それからも俺は変わらずいつものみんなとレッスンを受けた


そして

中学二年になったある時、母が言った


「ピアノはもうやめましょう」
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群青色の時代 ©著者:菜園すず

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