1章:酸いも甘いも (2/13)

美野和令子(５８)
ついこないだ成人式を終えたばかりの感覚だがれっきとしたアラカン女性だ。




端から見たらほっそりとした体型に顔はよく見たらうっすらシミやら小さなシワもある。
雑誌のエッセイなんかを書いていてたまに挿し絵も描いたりしていたところ、短編小説が当たりこじんまりと生活している。
つい２〜３年前まではパーティに出たり、朝の番組で取材されたりなんかしてまあまあな知名度も出てきた。



最近は…
こういうご時世という事もあり
パーティはほとんどなくなり、朝の番組に軽く取り上げてもらえるだけ有難い。
そういう出演は私に直接連絡をくれる事になってたから間に誰か入る事もない。
どこかプロダクションに所属してる訳ではないから気楽だ。

元々誰かと組んだり属したり、が苦手だったから就職した時はそれをしなきゃいけないとなるともうストレスしになっていただろう。
学生時代から内緒で書き溜めてた文字や絵なんかを暇潰しにコンクールなんかに送って８回目で何やらたいそうな賞に入賞した。



ペンネームというか、芸名みたいのをつけても良かったけどシンプルに【みのわれいこ】と本名で通した。