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14章:芽吹き
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14章:芽吹き
マサの協力の元、バロは出産に向け準備を開始していた。
レイとエレナの自宅には小さなベットが置かれ、城に仕える家作りの大工が作ってくれた物だ。
着々と準備は進み、皆初めての赤子に兵士達ですらエレナを応援し話題となっていた。
サラ「 よっ! 調子はどう?」
エレナ「 地獄。重い!」
サラ「 仕事休ませられたって? 」
エレナ「 暫くはダメだってさ。ミドルに乗るのも街に出るのも。」
サラ「 可哀想に。 」
サラは微笑みながら庭のベンチに座るエレナに微笑みお腹を撫でた。
エレナ「 抜け出して街散策しない? 」
サラ「 連れてってあげたいけど、最早この城で産まれる初めての子、兵士や監視、警備や訓練兵までレイの指示で見張ってるのにどうやって抜け出すのさ。流石の私にも無理ね。敵が多すぎる。」
エレナ「 ふぅ。 早く産まれて来ないかな。 」
サラ「 あと少しよ。歩こうか。城内なら大丈夫でしょ。 」
エレナ「 賛成。この景色見飽きたし。 」
サラはエレナを連れ、敷地内をゆっくりと歩き出した。
特殊部隊の宿舎や、馬小屋、外扉や訓練兵が日頃身体を鍛え技術を学ぶ弓矢練習場や発砲訓練場...
気付けばあれから随分と建物が増えていた。
サラ「 あ、いたいた。見て? 」
大勢の訓練兵を目の前に空砲の銃を構え鋭い目付きで立つ教官の姿にサラは微笑んでいた。
エレナ「 やば。行き止まりだ。あっち歩こ。 」
サラ「 ふふっ 城内歩くのも駄目なの? 」
エレナ「 見つかったら銃口向けられるよ。 」
サラ「 大丈夫。空砲だから。 しかし変わったねこの辺も。いずれ第一地区に責任者が選ばれるって話だよ。 」
エレナ「 責任者って? 」
サラ「 ロンだけでは城内の事で手一杯だからね。住民を束ねる王って人が、ここから遠く離れた地区には存在するらしい。つまり、ロンより上の人。 」
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