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10章:絆
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10章:絆
当日、朝から強い風が木々をざわめかせていた。
レイはいつもの様に、ジンの所へ向かった。
ジン「 レイ、今夜は天候が悪くなる。別の日にした方が良い。 」
レイ「 今日ならやれる。視界が悪くなれば敵に見つかりにくく、あの巨体の馬の音も聞こえない。 」
ジン「 火薬を濡らせば銃撃出来ないぞ。それでもやるのか! 」
レイ「 相手も同じだ。俺は剣術士。銃弾を避け司令官の首元を切り裂く。あの力に守られてんだ。信じてくれよ。じいさん。 」
ジン「 ...。 わかった。 お前の人命が最優先だ。死なれたら困るからな。 また、仲間を助けようと思うな。 今回は皆、お前の為に命を捧げる覚悟なんだからな。 」
レイ「 わかってるよ。 」
日が暮れるにつれ雨足は強くなり、城の裏に集まった兵士達は以前より遥かに少ない。
先頭にロンや怯えた訓練兵士達が集まり、隣にはアロが張り付いて居る。
皆レイを囲い彼を隠し、目標を見つけ次第特攻し切り裂く。
相手はレイが生きているとは思っては居ない。
門が開くと一斉に走り出し、遠くでは雷が鳴っていた。
レイ「 最高の天候だな! 」
アロ「 馬鹿!火薬が濡れたら全て終わりだ! 」
レイ「 なら濡らすな! 」
アロ「 お前... 笑ってんのか。気持ちわりー。 」
レイは漸くこの日々が終わると雨すら喜んで受けていた。
速度の速い馬で走り抜け受ける雨は小石を投げられた様な痛さが肌に伝わる。しかし、彼にはそれすら快感に感じるほど不気味に微笑みそれを受けていた。
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