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12章:決断 (1/15)

12章:決断

結海の元に彼が現れたのは残された時間はあと3ヶ月となった秋の頃だった。





矢上「 久しぶりだなぁ。 」





結海「 まだ居たんだ。 」





矢上「 ちょうど半年前か。相変わらずそうやって、海眺めてたとはな。 」







結海「 辛く無い? 」






矢上「 えぇ? 何がだ。 」






結海「 ずっと彼を追ってるなんて。追いつけないのに。 」






矢上「 刑事としての意地とプライドがあるからなぁ。まぁ、もうそれも終わりだけどな。 君には最後に挨拶に来たんだ。 」






結海「 辞めるの? 」






矢上「 定年最後に、黒川を捕まえたかった。 叶わなかったけどな。 」






結海「 砂みたいな人だったね。 」






矢上「 えぇ? 」






結海「 みんな彼を追ってるのに、掴めない。 定年後はどうするの? 」







矢上「 どうするかな... 多分俺は一生、黒川の事件の証拠を掴もうと、探し歩くんじゃねーかな。 」






結海「 彼は幸せね。 」






結海は矢上の事を嫌がる事も無く、幸せそうに微笑んでいた。






矢上「 一つ、謝らなきゃならない。 」







結海「 何? 」
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去り行く者達 ©著者:REN

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