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5章:トレンチの魔術師 (1/14)

5章:トレンチの魔術師

眼鏡の鉛筆男。

誰かわからない。

でも、まず挨拶をしないと。

何事も最初のファーストインプレッションが大切なんだ。

「はじめまして!今日から、こちらでお世話に・・・いや、働かせて頂く事になりました、瀧山駿平です!よろしくお願いいたします!」

決まった!おれの第一声は、イッセー尾形はカンペキだ!(パンサーの尾形じゃないよ)

が、鉛筆男から返ってきた言葉は予想外・・・想定外はホリエモンならぬぼくドラえもんだった。

「うるさい」

「それから、声がでかい」

はっ?まぢか?こいつ・・・。

人のキャバクラボーイデビューの初日の、最初の挨拶をうるさいの4文字で片付けやがった。

まぢムカつく!

こいつが先輩だか、誰か?はわからないが、初対面の・・・挨拶をキチンとした男に対して、う・る・さ・い!なんて返答するか?

常識が全くねぇじゃん!

それとも、この世界ではこれが普通の事なのか?

なんにしろ、失礼な奴なのは間違いない。

僕はこいつが1発でキライになった(この判断&分析が間違ってなかったと、のちに判明する)

「なんですか!いくらなんでも初対面の相手に向かって、うるさいとか声がでかいとかなんて返しますか?」

僕は精一杯反論した。

「うるさいものは、うるさいんですよ」

「いいですか?この世界でそんなにバカデカい声で挨拶する人なんて、僕ははじめて会いましたよ」

眼鏡の男も負けじと反論する。

「店長さんか、酒田さんはおられないんですか?」

これ以上話してると、本当に喧嘩になりそうなので、強引に話しを変えた。
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