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3章:理想と現実 (1/10)

3章:理想と現実

酒田さんの言葉に少し圧された自分がいた。

昼職ばかりで夜の世界など、体験した事などなかった。

決して偏見を持っていたわけではないが、夜の世界に対して何か目に見えない恐怖を持っていたのは、紛れもない事実だ。

「あっ、いや、とりあえず問い合わせだけのつもりだったんですけど・・・」

僕の言葉に酒田さんが「そういう事ですか。逆に提案なんですけど、1度面接だけでもいかがですか?」

「店内やお店の雰囲気を見てもらって、もし合わなければ、無理に進めませんから・・・」

酒田さんの提案に安心して、心が楽になった僕は、そのまま面接の予約をして電話を切った。

部屋の窓を開けて空を見上げ、軽く深呼吸して、目を閉じた。

夜の世界への第一歩。

昔、ある宇宙飛行士が言っていた。

「これは1人の人間にとっては小さな1歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

僕もそうだ。

他人から見たら小さな1歩だが、僕にとっては、人生を左右する大きな1歩である。
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僕が夜の世界で生きてくために。 ©著者:yorunoyami20

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