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4章:第四章
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「うっう……」
富美子は嗚咽をあげながら泣く。
「ごめんなさいね。つい感極まって…」
「うん…」
夕貴は苦笑いをした。
「これからも会えないかな」
「俺、年内でホスト辞めて地元に帰るって話したよね?
富美子は富美子の人生を歩んで欲しい」
「私、もう66よ。これからの人生に希望なんてあると思う?
あとは死んでいくだけだわ」
「まだまだ若いんだから」
「残りの人生、貴方と歩んでいきたいと思ったのに」
「お互い前を向いて歩こう」
「冷たいのね、夕ちゃん。
そういうところも好きなんだけど」
夕貴は富美子に気付かれないよう小さな溜息をついた。
今までホスト人生の中で痛客と言うのは何人も存在したが、富美子のような人間は居なかった。
こうなったのは自分の失態であると夕貴は思っていた。
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