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夕貴が富美子の卓に戻ってきた。
「シャンパンコール?ってすごいのね。
私、感動しちゃった」
「うちの店では5万以上のシャンパンが入ったらシャンパンコールをお客様の為にやるんだよ」
「へえ、5万かあ」
富美子は缶酎ハイを飲みながら、思わず目を見開いた。
「まあ高いし、無理してシャンパンなんて入れなくても良いんだけどね」
「好きな人の為なら入れたくもなっちゃうかも知れない」
「まあそれはワンチャンあるかもね」
「わんちゃん?犬のこと?」
「ははははははは」
夕貴は両手を叩きながら笑った。
「もう、ババアだから若者の言葉は分からないのよ」
富美子はそう言って夕貴の肩をぱんと叩いた。
ああ、なんて楽しい時間なんだろうか。
会計はぴったり3万円だった。
富美子はこれならもっとお金を払っても良いと錯覚を起こした。
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