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9章:彼女?
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あの日から、私の金銭感覚は大分麻痺してしまった。
FUNICに行く頻度も週に1.2日から週に3.4日と増え、行った日はショウにラスソンを取って欲しかったし、あのシャンパンコールを聞くと高揚感と幸福感で脳からドーパミンのようなものが溢れだしているような気持ち良さがある。
そして何より、1番を取る行為に執着していた。
そのため卸すお酒の値段はどんどんと上がっていった。
カロリは柚子小町、鍛高譚になり、コルドンブルーも卸した。
オリシャンはヴーヴ・クリコ、モエピンになり、ドンペリの白や黒になった。
勿論そんな事ばかりしていればボーナスはあっという間に無くなり、貯金も底を尽きかけていた。
「もう、しばらく細くしか飲めないかも」
ショウは驚いたような顔をした後、心配そうに言う。
「最近、かなり使ってくれてたもんね。無理させてごめんね。」
そんな台詞をショウに言わせたのが心底恥ずかしく、悲しくなる。
ショウは今月、ナンバーワンかもしれないと嬉しそうに話していた。私の為に店休日も空けて、毎回アフターもしてくれていた。
平日のアフターは次の日が仕事できついので、毎回私の家に来てショウに抱かれ、眠る。
そこまで私を大切にしてくれているショウに、そんな顔をさせてしまった事が堪らなく悲しくなる。
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1度でも本気で愛してくれましたか? ©著者:瑠奈
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