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4章:育て?
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「ホストでも、好きになるかもしれないじゃん。」
「アホか。前にお前に写真で見せてもらった地味そうなフツー女だろ?同級生だかなんだかの。あんな女どう考えても好みもクソもねーだろ」
こういう時、ゆきぴょんのハッキリとした性格は嫌になる。
梨沙は瑠奈の事を可愛いと思ってるし、梨沙みたいに派手な化粧をしなくても肌も綺麗で羨ましいとすら思う。
「梨沙は瑠奈のこと可愛いと思うもん」
「出たよ女の可愛い。お前らは何でも可愛いんだよ、あそこのiPhoneの充電器でも可愛いんだろ。息吐くように可愛いって言い合って気持ちわりーな」
「そんな事ないし!瑠奈は梨沙のこと見捨てないでくれた唯一の友達なの」
「それと可愛いに全く関係性ねーじゃん。そもそも俺は金も使ってねえのにホストとノコノコ飲みにだけは行くそのお友達の神経が理解できないね。図々しい女だな。絶対好きになんねぇ」
「じゃあ、ゆきぴょんの好きな女ってどんな子なの?」
梨沙が頬を膨らませながら聞くと、ゆきぴょんは目を逸らす。
彼の横顔がとても好きだ。高い鼻にプライドの高さが現れている。
仕事終わりで目元のメイクがよれているけど、薄い顔立ちを映えさせるそのメイクも好きだなぁ。
もちろん落としたあとの薄い顔も好き。
「俺に尽くしてくれる女。俺の事を誰よりも好きでいてくれて愛を伝えてくれる女」
「例えば?そんな子いる?」
「梨沙。」
「ゆきぴょん、好きーー!!」
ゆきぴょんの細い体をぎゅっと抱きしめる。梨沙が誰よりもこの世界で一番幸せなんだと感じられる瞬間だ。
「お前・・・酒入って気持ちわりぃから吐くからやめろ!!」
そう言いながらも梨沙を引き剥がさないゆきぴょんの優しさが梨沙は好きだ。
セナもかっこよかったけど、梨沙にはやっぱりゆきぴょんしかいないんだ。
もしゆきぴょんの言葉が嘘でもいい。
梨沙が幸せな時間を味わえたのは嘘じゃないから。
だから、少しでも長い間こうして騙し続けて欲しい。
梨沙も騙されたフリは得意だから。
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1度でも本気で愛してくれましたか? ©著者:瑠奈
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