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2章:始まり (2/6)

「は?」
「だからぁ、言おうか迷ってたんだけど...瑠奈の彼氏と寝たんだよねぇ」

私はおしゃれなカフェには似合わない低い声で、目の前のこの女・・・もとい、クソ女・・・いや、友達だったはずの由香に聞き返す。

「いや、は?え、どういうこと?」
「由香は嫌だって言ったけど!瑠奈にバレなきゃいいじゃんって、たっく・・・たくみくんが」

お前今たっくんって言おうとしただろ。今現在一応付き合っている私の彼氏の事。

たくみは私が専門学生時代の18歳から付き合っている彼氏だ。
顔はかっこよくはないし明るいタイプではないが、優しくて人から嫌われないタイプだった。
入学して3ヶ月で付き合って、もうすぐ5年目だね、旅行でも行こうか。と話していた矢先のこの事件である。
正直、予兆はあった。たくみは最近話しかけても上の空だったり、携帯を風呂にまで持って行ったり、新しい香水を買っていた。それでも信じていた。好きだった、から。

「由香も言わない方がいいとは思ったんだけど・・・たくみくんも、瑠奈の方が本命だし大切って言ってたから、そんな大切な瑠奈を裏切るなんて許せないなぁって」

「裏切った事に関しては由香もだけどね」

由香の長い睫毛の角度は完璧だったはずなのに私の発した言葉で一瞬にして歪んだ。
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1度でも本気で愛してくれましたか? ©著者:瑠奈

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