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2章:101〜200
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2章:101〜200
101、ストレートヘアーに細長い輪郭、切れ長な瞳がきらきらと光っていて、悲壮感の漂う雰囲気を放っている。
102、私は努めて自然に話しているつもりだったが、声が上擦っているのが自分でもわかった。
103、彼女はビールを飲み干してから、ぼそりと、しかし、重みのある口調でそう呟いた。
104、私は思わず彼女の横顔を見つめた。
私の視線に反応して彼女は「ふふふ」といたずらっぽく笑った。
妙な色っぽさがある。
105、小学生の頃の彼女は、清楚で汚れない純白のイメージがあった。
大人の女の魅力を備えた今の彼女を見ているうちに、私は自分の記憶が上書きされていくような気がした。
106、「悲しい、泣いてしまうえ」
彼女はそう一言言って喉を詰まらせた。
慌てて顔をそらしたが、彼女の目が赤く腫れているのを私は見逃さなかった。
107、ドッジボールをしながら、ふと教室の窓の方に視線を走らすと、私の姿を見ている彼女の視線とぶつかった。
108、幹事から各自飲み物が配られたので、私は二人分のビールを受け取って、川に視線を走らせている彼女に渡した。
船が桂川を進み出すと、水面(みなも)を走る風が体に当たり、汗でじんわり湿気た肌の温度が一気に下がった。
それが酔いと合わせてなんとも心地よい。
109、彩名の方を見ると、彼女の顔が篝火(かがりび)の炎に照らされて右半分がオレンジ色に輝いている。
頬のあたりにキラリと光るものがあり、一瞬、その正体がなんなのか、私はわからず彼女の顔を見つめた。
彼女は泣いているのだ。
110、私は彼女の涙の意味を推し量った。
「愛と死」のあの切ない物語のことを思い出して泣いているのだろうか。
それとも、私の告白に感動して…
そこまで思いを馳せてから、彼女が声を出して泣いているのに気付いて言葉を失った。
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