夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
-book.hostlove.com-
ホスラブ小説
ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!
1章:1〜100
(2/10)
メニューを閉じる
ホスラブ小説ホーム
あなたのしおり一覧
小説総合ランキング
ピックアップ作品一覧
昨日の閲覧上昇作品
作品評価ランキング
カテゴリ別ランキング
作者別ランキング
新着作品から探す(カテゴリ別)
みんなのレビュー
みんなの作者ニュース
みんなのファン登録
小説を作成
作者ログイン
小説ご利用ガイド
サイトニュース
11、事務所スペースで昼食を食べながら、葵と一緒にお茶を飲んだときのことを思い出した。
目の前の椅子に彼女は座っていた。
千鳥格子のスーツを着て、ウェーブのかかった髪を垂らして、にっこりと笑って真一郎を見つめていた。
12、その言葉に真一郎は思わず吹き出した。
13、彼女はそう言うと、一礼して、ガレージを後にした。
慎一郎は工場の入り口近くまで彼女を送った。
去ってゆく後ろ姿を見つめながら、「桐生葵」と呟いた。
14、事務所スペースに戻ると、葵のカップが残っていた。
うっすらと口紅がついている。
それをそっと撫でると胸が妖しくときめいた。
15、慎一郎は笑って受け流そうとしたが、桐生はやはり、にこりともしなかった。
葵はカップを皿の上に置くと、強い口調で言った。
16、慎一郎は何と答えていいのかわからなかった。
葵は立ち上がって、深く頭を下げた。
真一郎も仕方なく立ち上がって、ぎこちなく一礼した。
17、黒川はその質問には答えず、黙ってタバコを吸った。
しばらく沈黙が続いたが、やがてぼそっと言った。
真一郎が頷くと、黒川はタバコを灰皿で揉み消し、「じゃあ、出るか」と腰を上げた。
18、真一郎の質問に、彼は虚をつかれたような顔をした。
そして自嘲気味の笑みを浮かべながら、「俺もまた世間の奴らと同じだよ」と言った。
19、少しの間、奇妙な沈黙があった。
真一郎は黒川の視線が自分の口元へ向かうかどうか注意したが、彼の目が真一郎の口に注がれることはなかった。
慎一郎は内心ほっとしつつ、これまで自分の寿命など考えたことがなかったことに気付いた。
こうして黒川と会話を交わして初めて、そのことを意識した。
20、黒川の言葉が毒のように自分の全身にまわりつつあるのを感じた。
彼の言葉が真実かどうかなんてわかりもしないのに、自分はそれを恐れてパティシエから逃げた。
彼の運命に関わることで自分の命が奪われたらと思うと、逃げずにはいられなかったのだ。
電車に乗ってる間も、後悔とも安堵ともつかない、何とも言えない気持ちがぐるぐると渦巻いていた。
<前へ
2 /14
次へ>
しおりを挟む
この小説の「目次」を見る
この小説の「レビュー」を見る
この小説の「トップ」へ
※この小説を友だちに教える⇒
メール
恋愛小説表現集 ©著者:小島 優子
しおり一覧
小説を探す
小説を作成
作者ログイン
夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで
全ての機能が利用できます!
http://book.hostlove.com
[ホスラブ小説]
広告募集係り
Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.