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6章:霧
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優子「 お疲れ! 」
俊「 焼酎。 」
優子「 はいはい。 」
相変わらず無愛想な様子で店に入ってきた俊は、いつもの席に座り疲れた顔を見せていた。
優子「 気にならないの? 」
俊「 なにが。 」
優子「 梨沙ちゃん。 」
俊「 帰っただろ。何を気にすんだ。 」
優子「 可哀想に。気にしてたよ? あの日、素っ気なく帰っちゃったきりでお礼も言えなかったって。 」
俊「 へー。 それっきり、か。 」
俊は、あの日遠くから見送った事を優子に報告しなかった事を意外に感じた。
あの時、何故自分があんな事をしたのかはわからない。
しかし、またいつ逢えるかわからない彼女を最後に一目見たくなったのだ。
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闇に包まれし屋敷 ©著者:REN
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