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2章:パラノイア
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火事場の馬鹿力
後にも先にも私の人生でこの言葉が当てはまるのはこの日だけだろう
『ビール‥待っててね』
痛さを脳内抹殺しながら必死にスロープに這いながら施設についた
その半年ぶりに来たお城は相変わらず真っ白で潔癖でうすら恐ろしさすら感じる
当然受付は閉まっていたが電気が付いてる部屋がところどころ見受けられた
駄目元で受付のチャイムを鳴らしてみた
当然反応がない
帰ろうとUターンした時だった
『どちら様ですか?』
夜勤の男性スタッフの方が眠そうな目を擦りながら現れた
『‥あ、あの私トワに会いたくて‥面会に来たんです』
『面会?こんな時間に?うちは20時消灯ですからできませんよ』
『そうですよね、すみません これだけでもトワに渡して頂けませんか?約束した差し入れなんです』
中身がビールだと解るといなや男性看護師の目付きが鋭くなった
『そもそもトワさんって本名ですか?今のところうちにその様な名前の患者様はいません 本名わかりませんか?』
『あ、はい、えっとえっと‥』
やばい
トワの本名が思い出せない
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狂ってた ラスト2 ©著者:弓
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