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4章:陰 (2/9)






佳代子「どんな人だったんですか?」



三神「じゃあ、お聞かせしますね。



その子は初回で連れられて来て、とてもミステリアスな容姿で雰囲気で見た瞬間から虜になりました。
まだ僕がホストになって数年くらいの時。
なんとか名刺は渡したんだけど
勿論連絡なんてくれなくて😅

ちょっとしてから
街中で会ったんです。
すぐに呼び止めて連絡先交換しました。
そして強引にその日、彼女んちに行ったんです。」



佳代子「凄い度胸ですね。」



三神「度胸はそこで使い果たしてしまったんです(笑)
部屋に上がって同じベッドに入ったのに、何も出来ず
そんな事を何回か繰り返した時
彼女の方からキスしてきたんです。
そのまましてしまえば良かったのに、好き過ぎて何も出来なくて
しまいには、私の事嫌い?って言わせてしまいました。



勿論ちゃんと好きだって事は言ったんだけど…お店オープンも重なって、気まずいのもあって
疎遠になってしまった。
それから恋愛はしてません。
だからその経験を踏まえて
好きになった人には嫌われても良いから最後まで大胆にいく事にしたんです。」




佳代子「もしその女性が今も三神さんを待っていたら?」


三神「それはありませんよ(笑)
こないだ連絡がきたんです。
10年ぶりくらいに。

私は幸せです、凛太郎も幸せだと嬉しいです、って。」



佳代子「複雑ですね。」



三神「確かに。でもそれから間もなく佳代子さんと出会って
佳代子さんがそういう相手になるのかな?って。」



佳代子「え?私?荷が重いです。その方の代わりなんて…」



三神「勘違いしないでください。代わりなんかではありません。
初めてお会いした時から
何か感じましたから。

それにまるで雰囲気も容姿も違います(笑)
三久に重ねてるなら…」



佳代子「え?三久…?」





三神「つい、気を抜いてしまいましたね。
彼女の名前です。
木村三久」





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人のもの ©著者:愛希

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