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9章:恵梨香と陽子
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ワタシは家に帰って
安ウイスキーをガブ飲みしながら
自分の中にいるデリ嬢の恵梨香と
プラベの陽子が押し問答していた…
〔あ〜あ、鉄板の太客を逃がしちゃったよ…
まだまだ貢がせられたんだよ…
これからどうするの?陽子…〕
《でも、陽子は本気で好きになりかかっているんだもん…
青沼さんの事…
だから、もう、嘘をついて騙して貢がせるなんて出来ない…》
〔ダメだね〜客は客だよ
色恋かけて大金をむしりとってやらなくちゃ…
それより、ひょっとしてまだ、ヒロ君の事が引っ掛かっているのかい?〕
《それはないかな…
ヒロ君にとってワタシは単なる都合のいいオンナ…
単なるセフレ…
もう、前みたく、ワタシの事、真剣になんて思っていないみたいだし、
ヒロ君と繋がっていても将来が見えないから…》
〔それは言えてるね…
ヒロ君と繋がっていても将来なんてないよ…
陽子はそのうちに捨てられるよ…〕
《うん、恵梨香の言うとおりだと思う…
でも、ヒロ君が忘れられないのは事実だけどね…》
〔忘れられないってアンタは馬鹿だよ…
確かに前はいいオトコだったし、アンタを大切にしてくれていたよ…
でも、今はどうなの?大切にしてくれてる?
アンタが言うとおり、アンタはあのオトコの単なるセフレだよ?
判っているの?〕
と自問自答している…
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貧困になった(その6) ©著者:Yoko
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