そんな関門を抜けて、席で静かに待つことになります。

プログラムを確認すると、麻央さんの出番は前半と後半の二回。

先に滑るのはショパンの調べのノクターンです。

ショパンの楽曲は麻央さんの純朴さが溢れ出て、穏やかな振り付けが柔らかに演じ上げられる名作ばかり。

そして、この曲はソチ・オリンピックでショートの演目。

トリプル・アクセルに挑戦して転倒してしまい、その上、コンビネーション・ジャンプを跳べなかった、因縁の作品。

しかしオリンピックの翌月に日本で開催された世界選手権では、見事に演じ上げたプログラム。

まさに麻央さんの全てが凝縮された作品と言っても過言ではありません。

それが、こんなに間近で拝見できるなんて夢のようです。