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23章:民の為に
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アリシャールの勉強を終え自室に戻ってる最中、訃報が入ってきた。
街で隠密活動中、ノヴァール国王が襲撃され殺された。
この話で城内はざわめきたって居た。
「皆に落ち着く様に話しなさい。今ここに襲撃があってもおかしくないのですよ!」
指示を出し急いでノヴァールの部屋に走るクラッド。
その時も兵士達に守りを固める様に指示を出しながら走る。
はぁはぁはぁ……。
『こんな大事な時に……なんてことでしょう。』
ドンドンドン!
バンッ!
「はぁはぁ……。ノヴァール国王陛下?」
部屋に入ると暗くそして誰かがすすり泣く音が聞こえた。
クラッドはまず灯りを灯した。
!?
「オルフェス国王陛下!何故ここに?それよりもノヴァール国王陛下は?」
オルフェスは涙を流しながら首を横に振った。
ノヴァールは傷だらけで血だらけだった。
もう息を引き取り亡くなっていた。
「オルフェス国王、この後の事もあります。お辛いですが表を上げてください。ノヴァール国王陛下はこの国の民の為に亡くなったのですよ。それをいつまでもウジウジと泣いていては救われませんよ!」
クラッドもいきなりの訃報を悲しんでいるが、皆で悲しんでいる時間など無いのだ。
「わかってるよ。ノヴァールはこのまま葬るよ。黒の国王として立派に送るよ……。でも、早いよ!なんでこんなに急なの!」
また涙が溢れる。
「黒に産まれた宿命でございましょう……。静かに葬りましょう。」
そう、黒の国王や王子が亡くなった場合葬儀などはやらず、そのまま葬るのを前国王が決めていた。
「さぁ、オルフェス国王陛下。お辛いでしょうが、これもまた運命でございます。今は貴方様のお力が必要です。城内が混乱しております。」
涙をこらえ立ち上がるオルフェス。
白の国王としてのプライドだろう。
「そうだよね。わかった、すぐに指示を出そう!」
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白と黒の王子 ©著者:ティピぃ
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