21章:新しい時代 (14/18)

パーティーが始まると我先にと言わんばかりに貴婦人が押し寄せた。
「本日はお招きありがとうございます。本日のパーティーで婚約者を決めると言う噂は本当なのですか？」
「私も聞きたいですわ！」
「つきましては、娘を紹介したいと思っておりますのよ！」
色々な言葉が飛び交うなか、その言葉も頭に入ってこないオルフェス。
『うわぁ。噂話って怖いなぁ……。それにこの勢いってものに飲まれそう……。』
オルフェスの周りには人だかりができ、身動きが取れなくなってきた。
「み、皆様落ち着いてください！これからちゃんとに話しますので、どうか押さないで下さい！」
オルフェスの訴えに貴婦人達は正気に戻り恥ずかしそうにしている。

「ふぅっ……。では、私から話させてもらいます。今夜このパーティーで私の婚約者を決めたいと思っております。」
オルフェスが話すと会場はざわついた。
「静粛にお願いします。私は私のペースで婚約者を見付けたいと思いますので御理解の方をお願いします。」
言い終えると、音楽が流れてきた。
ダンスの時間だ。

オルフェスは貴婦人から逃げるように、近くに居た娘をダンスに誘った。
勿論、国王陛下の誘いとあれば断る理由はない。