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20章:静まり返る王宮 (2/7)

「じゃあ、シャロン。僕の部屋に案内するよ。」
そう言い然り気無くシャロンの手を握る。
パーティー会場からノヴァールの部屋までは少し離れている為、二人で話ながら部屋に向かっていた。

「あ、あの……。本当に私で良かったのでしょうか?他にも美人な方いっぱいいらして、貴族の家柄の人もいらっしゃったのに……。」
やはり一人になり不安になってきたシャロンは本音をポロリと呟く。
「シャロンじゃなきゃ駄目。他の女は……なんて言うかな。魅力を感じなかった。だから駄目だったんだ。」
半分本当の事を、半分嘘を入れた。
そうすることにより全て本当の様に話が変わるからだ。
「いきなりでごめん。シャロンの方こそ大丈夫だったの?」
ノヴァールは自分の事でいっぱいで、肝心のシャロンの話を聞けてなかった。
「は、はい!私は大丈夫です!こんな平民の家の出で大丈夫なのか、そこが不安で仕方ありません。」
色々心配は有るようだが、平民の家。この事がやはり気になるようだ。
「僕のお嫁さんになるのに、貴族だの平民だの関係ない。きちんと僕を見てくれるかだ。」
確かに黒の国王の妻になるのに、平民も貴族もない。
変な事を言ってしまえば、城下の街娘でも良いぐらいだ。
しかし国王になるので、街娘をとなるとそれはそれでめんどくさいのだ。
「さて、到着。ここが僕の部屋。殺風景で何も無いけど。」
扉を開けるとランプも着いておらず真っ暗。
灯りを灯したら部屋の中が見えてきた。
「わぁー!スッキリしていてとても素敵なお部屋ですね!」
ソファーにシャロンを座らせ、使いにお酒の支度をさせた。
シャロンはキョロキョロと見渡しながら、何だか楽しそう。
これから起こることも知らないまだ今日この頃。
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白と黒の王子 ©著者:ティピぃ

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