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6章:街に行く
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下にいた数人が見事にお婆さんを掴まえた。
一気に周りはお婆さんを取り囲む様に、火事の現場から目を離す。
「ありがとうね。私は大丈夫だよ。」
そう人々にお婆さんは言い、一番始めに助けに来てくれた子にお礼を言わなければと振り向く。
「あなたも、本人にありが……。」
しかし、振り返った先には人はもう居ない。
「だ、誰か!さっき私を助けてくれた子を知らないかい?お礼をまだ何も言っていないんだよ。」
すぐ横にいた男に聞くが、みんなお婆さんが無事に助けられた事に目が行ってわからないと言う。
「街の子かね。本当にありがたい。ありがとね!」
助けられた場所に向かって、心からお礼を言うお婆さん。
ようやく火を消しに到着した兵士達。
その頃には、火の手は回り建物全体が炎に包まれていた。
助ける時間が少し遅かったら、お婆さんは……。
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白と黒の王子 ©著者:ティピぃ
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