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2章:帰還 (3/3)

『夜は街に行くと言っていたし、私も仕事を終わらせてノヴァールと一緒に行こう!』
そう言いオルフェスは足早に自室へ向かう。

そんな平和な城内の異変にまだ二人は知ることもない。

ザワザワと話すのは、この城で働く兵士達。
「俺の腰巻き知らないか?」
「こっちは帽子が無い!」
「自分は靴がないっす!」

その異変に気が付いた城の者が声を荒げ話し出す。
「何事ですか!騒がしいですよ!もっと静かにしてください。」
……。
一人の兵士がポツリと話し始めた。
「みんなそれぞれ物が無くなってるんです。それも各1つだけなんです。」
恐る恐る話したのは良いが簡潔過ぎる。
兵士の話に、彼はこう冷たく言い放つ。
「物が無くなる?疎かにしているから……ではなくて?」
急かさず兵士が言い返す。
「そんな事は絶対に御座いません。断言します!」

「……。わかりました。では、誰が何を無くなったのかまとめて、今日中に私の所へ持ってきなさい。良いですか、今日中ですよ!王子達には、私から話しておきます。」
そう言い彼は去っていった。
彼の名前はクラッド・アウル・マウジー。
二人の王子の世話役兼秘書の様な存在。
歳は二十歳そこそこだろう。

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白と黒の王子 ©著者:ティピぃ

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