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2章:‡ホモサピエンスの調教‡ (57/57)

すると加代は

『なんが商店みでぇなんは在ったけんど、コンビニっちゅー名前じゃねがっだ。

だがら探しだんだけんど、何処にもねぐで、歩っでる内に此処に来だら、コンビニっで書いで有ったがら。

町ん人は、いっづも車だがら、直んぐそごっで言うんも、距離が有んだべ?っで思っだ』

《…………》

ってコンビニが判らなかったって事なのケ!?

『ねぇ、もしかして、コンビニって知らないの?

だって、あんなにTVで宣伝してるじゃない?』

と思わず訊いた。

『俺ん家はTVがねぇ。

実家も俺が居た頃は、TVがねがっだ。

ずっど自家発電だっだがら』

ご主人様も奥方も、唖然としてる。

時空を越えたマジ話。

平成2年の現実だった。

『でも、家の傍のコンビニは判らなくて、どうしてこちらのお宅は判ったのよ?』

と訊いたら

『看板が有ったべな?』

と言った。

確かに、家の南側のコンビニには、コンビニの文字はなかった。

『家は以前駄菓子屋だったんで、看板にそう書いたんです』

と、ご主人が言った。

経験がない、と言うのは恐ろしい。

そうつくづく思った。

再度みんなでお詫びをして、煌璃に向かう事になったのだが、考えたらジムニーは、4人乗りだった。

定員オーバーをしたくても、スペースがない。

仕方なく、罰として加代を、ハッチに乗せて、煌璃に向かった。

結局、私が頼んだ新聞と牛乳の事は、加代の頭から消えてた。

じゃ、何の為に《コンビニ》を探してたんだ?
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†ふぁみりぃず† ©著者:JUDE(ユダ)Ⅳ

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