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2章:‡ホモサピエンスの調教‡
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焦る私達の様子に気付かれた奥方が、気持ちを逸らせるかのように明るく
『サ!紅茶が冷めちゃうから、どうぞ、どうぞ!
男の人じゃケーキなんかじゃない方が良かったかね!?』
と言われた。
因みに、3人共、甘いモノは苦手。
でも、この空気だ。
『あ、いえ、大好きです。
戴きます♪』
と、ゆっ君の王子様スマイル。
不思議と少しもワザとらしさがない。
お味噌汁には七味を散らすのに。
零士も如何にも勿体振るようにして食べてる。
家に帰ったら絶対に、梅干しを噛る。
零士は全く甘いモノを食べない、と言うワケではなく、和菓子なら食べる。
何とも言えない油分と甘さがコラボしてるような、こんなケーキは苦手なのだ。
でも、その零士ちゃんは、今は封印。
パン工場のケーキを、美味しそうに戴く。
『あの、戴きながらで失礼ですが、加代はどんな風に手を着けたんでしょうか?』
とお訊きした。
加代の言い分じゃ、宛にならん!
『この串団子は、弁当の棚の前に置いた台の上で、バラ売りしてるんです。
それを試食品だと思ったそうなんです。
それと、チョコレートは、レジカウンターに置いた小さな篭に入れてるんですが、サービスで置いて有るのだと思ったそうです。
たまたま従業員が飲み物を補充するんで、バックヤードに居て。
それで、戻ったら、団子を食べてたそうなんです。
レジを見たら、チョコレートはなくなってるし。
ですが未だ、店の外に出てしまったワケじゃないんで、警察への通報は迷ってたんです』
とご主人が言われた。
『それにしてもなんでこっちの方迄来たのかね?
歩いて来るんじゃ、結構な距離が有るがね?』
と奥方が言われると
『桜木サンにコンビニに行げっで言われだがら』
と加代言った。
『でも、コンビニなら煌璃さんの直ぐ南側に在ったよね?』
と奥方が首を傾げる。
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