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1章:†余され者†
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将也君が心臓マッサージを始めた。
その姿に、私は翔の心臓マッサージを一緒にしてくれた、ロッキーの姿を重ねてた。
(ID45210・Skyline・27章)
将也君の所に行く。
時計を見る。
その時、不思議な匂いがした。
何か、ナッツのような?
アーモンド!?
小説やTVの中でしか知らなかったけど、青酸カリ!?
無理だ!
でも、将也君はひたすら続けた。
『交代する!』
そう言って、将也君を押し退けた。
テンポ100
1分間に100回。
30回毎に、mouth to mouth。
って、青酸カリじゃん!?
どうしよう!
私はテルヨさんに、自分の口を近付けられなかった。
その時将也君がそれを察したのか、今迄のように、テルヨさんに口を付けた。
『将也君、青酸カリ!』
と、思わず言った。
でも、将也君は躊躇しなかった。
テルヨさんに息を吹き込む。
もう、テルヨさんは、戻らない。
『お袋!?お袋!?』
将也君が夢中で声を掛ける。
もう、私も限界になって来た。
その時、救急車のサイレンが聞こえて来た。
こんな山中で在っても、サイレンは鳴らすらしい。
飛鳥が玄関に行った。
玄関の扉を開ける。
救急車は、玄関前に停まったようだ。
車のドアが閉まる音がすると
〔こっちですねん!〕
と、飛鳥の声が響いた。
白衣の隊員が2人、担架を持って広間に来た。
2人は畳に担架を置くと
『患者さんを見しで!』
と言ったので、場所を空けた。
倒れたテルヨさんに対して、儀礼的にバイタルチェックをしたが、直ぐにその手を離して
『残念だけんどもう亡ぐなっでます』
と言った。
もう1人の隊員が
『直ぐに警察が来ますがら』
と。
言葉にならない、溜め息混じりの声が上がる。
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