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2章:‡矢菅の女‡ (61/61)

つまりは、主人共も、家計の遣り繰りなんて知らないのと同じだった。

加代がお金の使い方を知らなくても、当然だった。

今のままなら、お金を手に入れれば、有るだけ遣い切ってしまうだろう。

『加代さんは町で生活したいんじゃなかったの?

町の生活を受け入れられないなら、やっぱり矢菅に帰った方がいいよ。

私は聖夜が言うように、お金を取り上げてるんじゃないし。

矢菅のお家なら、お家賃だって要らないんでしょ?

何処かの寮にでも入れれば、お家賃は要らないかも知れないけど?』

と言うと、飛んでもない事を質問された。

『オヤチンって、何だべ?』

今度は、家賃についての説明を。

『たんだ、部屋を借りてるっちゅーだげで、毎月金取られるんケ!?』

これで社会生活が出来たら、それこそ奇跡だ。

『加代、オメェじゃ町の生活は、無理だべ?

海原だっで、篠部ど同じだっだんだべ?

船主が、金ぐれでだんだべ?

篠部ど同じだべな?

オメェは、そんな事しが知らねぇで今迄生ぎで来だ。

けんど、普通はそんなに甘がねぇ。

悪ィ事は言わねぇ、篠部に帰ぇるべ?』

そう将也君が言った。

将也君は、加代が部落を出る事は反対で、此処に連れて来る事も、かなり拒んだ。

でも、少しずつ慣れれば、と思ってたが、無理だと言った理由は、こんな事にも有った。

親も解ってないから、教えて貰う事もなく。

知らなくても、生きて行ける社会。

テレビを観てるのだから。

と、単純にそう考えたくなるが、例えテレビで、そんな事を観聞きしても、自分には無関係の、他人事。

加代は、役場(区役所・市役所)にさえも、行った事がなかった。

でも、やっぱり冬真君の事を考えると、加代を矢菅に返す事は迷った。

こうして話を聞けば聞く程、冬真君が、如何に大変かが解った。

奥方達の人間関係も然りだが、生活運営の全てを、冬真君が面倒を見るしかないようだ。

天然パーマで、軟らかそうな冬真君の髪が、ストレスで消えてしまわない事だけを祈った。

『もし、矢菅に行くなら、私も行く。

金曜日迄、レッスンは預けてるから!』

様子で、仮に加代が矢菅に居られそうにないと判断された場合の事を考えての事だった。
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†ふぁみりぃず† ©著者:Jude(ユダ)

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