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34章:北海道帰還
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真っ白な雪道を走っていると暖房の温かさで蓮は、ランドセルを抱えて眠りにつく。
俺は、ランドセルを後部座席に置いて昼飯よりも家族に会いてえと無言でアクセルを踏む。
午後2時頃にいつもの光景が飛び込んで来る。
目を覚ました蓮は、自然と笑顔が溢れる。
俺「もう俺たちゃ道産子だな」
蓮「道産子ってなんだぁ?」
俺「北海道生まれ♪︎北海道育ち♪︎悪そうな奴等大体友達yeah!!」
蓮「なんだぁそのお歌あはは(笑)」
笑いながら俺達の自宅の敷地にジムニーを停めると蓮は、走って玄関に向かっていった。
田舎あるあるで玄関の鍵等締めないから勿論空いている。
吸い込まれる様に蓮は、玄関の扉を閉めて俺は、両手に大荷物を抱えて玄関に並べていく。
荷台にいっぱいの荷物を家に運び入れるのに何度も往復をする。
蓮「とおちゃんランドセルだぁ!婆ちゃんに見せんだぁ」
俺「あいよ。ほら蓮」
ランドセルを蓮に渡して、ジムニーを邪魔にならない場所に停め直した。
外に出ると奈緒のハスラーが入ってくる。
エンジンも止めず運転席から降りてくる奈緒。
奈緒「おかえり勇ちゃん」
俺「ただいま」
奈緒「蓮は?」
俺「家の中だよ。車庫に車入れとくから家に入りな」
奈緒「うん」
奈緒は、大きくなったお腹を庇う様に玄関へと入っていく。
車を車庫に閉まってシャッターを降ろして俺も玄関へと入る。
玄関の前で泣きながら蓮を抱き締める奈緒。
蓮「苦しいどぉかあちゃん」
奈緒「いいからもう少しだけ」
婆「婿さんもおかえり」
俺「婆ちゃんただいま…!!」
鼻水をずぶたら垂らしてしわくちゃな顔で、おかえりと言ってきた婆ちゃん。
きっと蓮と会って流した涙なのだろうと俺は、思っていた。
その後、お母さんも仕事から帰宅して2週間ぶりに家族勢揃いで、食卓を囲んだ。
家族の他愛もない言葉
だけど、とっても素敵な魔法の言葉
『おかえり』
この言葉で心がぽっかぽかになった。
北海道の寒さなんて相手にならない程、家族の温かさを感じた日だった。
北海道に戻った日の出来事。
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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ
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