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34章:北海道帰還
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目を覚ますと太陽の光が降り注いでいた。
俺「眩しいねぇ。今回は、薬効いたなぁ」
朝イチの絞りたての小便をして、手を洗うついでに、顔も洗った。
鏡を見て水を付けて、寝癖を治す。
俺「蓮は、寝てる様だしたばこ吸って来るかぁ」
船室を出て、鍵を掛けて近くにある喫煙所に入る。
狭い喫煙スペースにニコチン中毒の人間達がSL機関車の様に煙を吐く。
目が痛くなる程の副流煙が舞う喫煙所で、たばこに火を着けて自販機で買った缶珈琲と一緒に飲んでは、吸ってそして吐いてを繰り返して、船室に戻った。
部屋に戻ると蓮は、起きていて歯磨きをしていた。
蓮「とおちゃんおはよう」
俺「おはよう」
蓮「お日様出てるなぁ」
俺「天気良さげだな。北海道雪降ってんべな」
蓮「雪んこ雪んこ」
俺「蓮、朝飯食いに行くか」
蓮「うん」
昨夜の晩飯の反省を活かして、朝食バイキングは、適度に食べてレストランを後にした。
プレイルームで蓮と遊んで、昼前に部屋に戻った。
船内にアナウンスが流れ始める。
俺「もうそろそろ到着だな」
窓の外から北海道の大地が見え始める。
蓮「とおちゃん真っ白だね」
俺「うむ。いつもの光景だ。俺達が留守の間も北海道は、異常無しだ」
真っ白な北の広大な大地を見て、戻ってきたんだなと実感した。
たった2週間程離れた北海道だったが、この真っ白な大地を見ると俺達の居場所は、この北海道だなと改めて思っていた。
蓮「早く帰りたいどぉ」
俺「んだな」
部屋の荷物を纏めて、ベッドのシーツを剥がして使用済みの物は、纏めて置いていった。
蓮「準備OK」
俺「よっしゃロビーに行くべ行くべ」
2人で荷物を持ってロビーで、順番が来るのを今か今かと待っていた。
フェリーは、苫小牧に到着して俺達は、車両デッキに階段を降りて向かう。
一際様子の悪い艶消しブラックのジムニーが俺達を待っていた。
車に乗り込み家族の元へアクセルを踏む。
フェリーを出て外に出ると一気に寒さを感じた。
俺「かぁ寒いなぁ!クソッタレめ」
蓮「寒い寒い!あはは(笑)」
この寒さが俺達におかえりと言ってる様な気がして嬉しくもあった。
俺と蓮は、逸る気持ちを抑えながらゆっくりと家族の元へと車を進める。
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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ
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