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29章:カテーテル (7/7)

夕方頃に蓮は、目を覚ました。

蓮「とおちゃん」

絞り出す様な声で俺を呼ぶ蓮の声。
とおちゃんと呼ばれるだけで俺は、それだけで本当に安心した。

俺「蓮、頑張ったなぁ」

蓮「僕偉い?」

俺「うん蓮は、偉いぞぉ」

蓮「とおちゃん、喉渇いたど」

俺「ちょっと待ってろ看護士さんに聞いてみるからな」

看護士を呼んで蓮が目を覚ました事を伝え、喉が渇いている事を伝えた。

すぐに看護士さんは、お水を用意してくれた。
俺は、横になっている蓮の口にストローで水を飲ませた。

『ゴクゴク…』

勢い良く水を飲む蓮。
喉が渇いていたのであっという間に飲み干した。

蓮「もう帰れる?」

俺「ん?まだ動いちゃいけないから多分来週には、おいちゃんの家に戻れるよ」

蓮「うん」

俺「痛い所とか無いか?」

蓮「足が少し痛いど、でも大丈夫だど」

俺「そうか」

蓮「とおちゃん手だ」

俺「ああ」

俺は、蓮の手を握った。
頑張った我が子を何度も褒めてあげた。

俺「蓮は、頑張った。とおちゃんだったら怖くて泣いちまうぞ。偉いぞ蓮」

蓮「あはは」

息子は、生まれてからずっと頑張っている。
俺の子育ては、甘やかし過ぎと言われるかもしれないが俺は、蓮を褒めて褒めておもいッきり甘えさせてやりたいと思っている。

甘えさせてあげるのが親の役割なのだから。

それが、何も出来ない親父のたったひとつ息子に出来る事なのだから。

この子の小さな手を握る事が俺の大きな幸せなのだから。

カテーテル検査を無事に終えた
2019年2月28日の出来事。


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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ

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