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27章:僕のランドセル (9/9)

俺の実家でもある兄貴の家に俺と蓮は、暫くお世話になる。

久々の実家に懐かしさが込み上げてくる。
蓮は、イオンからランドセルをずっと背負っている。

俺は、蓮の手を引いて、仏壇の前に座った。

蓮「じいじとばあばか?とおちゃん」

俺「んだ。御線香あげて南無すんべな」

蓮「うん」

俺と蓮は、御線香をあげて、両手を合わせた。

その日の夜は、兄貴夫婦とお酒を酌み交わして、布団に入った。

午後11時頃に喉が渇いて目を覚ますと、兄貴が居間で、横になっていた。

俺は、たばこを吸おうと外に出て、昔から庭にある岩に腰を掛けて、たばこに火を着けた。

ポカリを飲みながら、煙を空に吐いていたら玄関の扉が開く。

兄貴「おう。たばこくれや」

俺「ほれ」

兄貴にたばこを渡して、ライターで火を着ける。

兄貴「明後日入院か?」

俺「ああ。検査だから心配は、要らないよ」

兄貴「もうすぐ5年か?」

俺「そうだな2回目の手術して、もうすぐ5年だな」

兄貴「小せえのに頑張ったもんな。蓮」

俺「ああ。蓮は、生まれてからずっと頑張ってるからな」

兄貴「そうだな」

俺「元気に育ってるから大丈夫だよ」

俺と兄貴は、そんな話をしてたばこを揉み消した。

布団に戻ると、大事そうにランドセルを抱えながら、眠る蓮の左胸に手を当てる。

『ドクンドクン』

心臓の鼓動が伝わってくる。

明後日は、心臓カテーテルの検査の為、蓮と二人で、病院に向かう事になっていた。

5年前のあの日、息子の命を繋いでくれた神奈川県立こども医療センターへ。

目を閉じると思い出す。
あの病院での息子が、一生懸命に闘っている姿をそして、何も出来ず側に居る事しか出来なかった自分を。

蓮「う〜」

目を開けるとランドセルを抱く蓮の姿。
俺は、頭を撫でて蓮を、抱きながら眠った。

『僕のランドセル』

無邪気に笑う息子の初めてのランドセル。
今の息子にとっての大事な宝物。

これから、このランドセルに教科書を詰め込んで6年間息子を、見守ってくれるんだと俺は、思った、そんな2019年2月25日の出来事。
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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ

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