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27章:僕のランドセル
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目を覚ますと生まれ育った懐かしい街並みが、目に飛び込んでくる。
蓮「とおちゃん起きたか」
俺「おう」
兄貴「蓮、今日は、おいちゃんがランドセル買ってやっからな」
蓮「ランドセル♪ランドセル♪」
俺「高えぞ。ATM寄らなくていいのか?兄貴」
兄貴「所詮リュックサックの丈夫版だろ」
俺「世間知らずだな。高い奴は、ヴィトンの財布くらいすんぞ」
兄貴「おい有紀。金下ろしに行くぞ」
姉「ちゃんと用意してあるわよ」
兄貴「流石だ」
俺「安いのでいいよ」
兄貴「いや駄目だ。蓮に恥は、掛かせらんねえよ」
俺「ランドセルで恥なんか掛かねえだろ」
兄貴「お前のメンタルならコンビニの袋でも通えるが、蓮は、お前と違って素直だからな」
俺「俺が育ててんだけど」
兄貴「嫁さんのお陰だろ」
俺「兄貴が要するに買いてえだけだろ」
兄貴「その通りだ。俺が買った物を6年間使うんだからな」
俺「まぁ高い物だから有り難いよ」
兄貴「常に6年間一緒だな、蓮」
蓮「うん」
兄貴「聞いたか勇次」
俺「6年間一緒なのは、兄貴でなくて、ランドセルな」
兄貴「色違いで、六個買ってやろうかな」
俺「バカタレ!1個でいいし、物を大事にする事が一番大事やろ」
兄貴「親らしい事言ったな」
俺「まぁな」
俺達は、ランドセルの話をしながら、地元のイオンへと向かった。
兄貴達は、子供が本当に大好きだ。
何度も不妊治療を行ったが神様は、兄貴達に子供を授けなかった。
一時は、悩みネガティブな事も言っていたが、蓮と会うと兄貴は、自分の子供の様に接してくれる。
そんな兄貴の嬉しそうな顔を見てると、俺まで嬉しくなる。
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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ
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