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16章:平成最後の大晦日 (8/8)

午後11時を回ると、
トイレに立った。

俺「この小便も平成最後か、クックック」

トイレを出ると若菜が立っている。

若菜「何ブツブツ言ってるの?」

俺「偽パイ、お前も平成最後の小便か?」

若菜「年号変わるの春頃でしょ」

俺「それも平成最後のツッコミか?」

若菜「頭大丈夫?」

俺「お前よりわな」

俺は、トイレを出て、
手を洗って、蕎麦を暖めた。

年越しそばをこたつに運んで、テレビのガキ使を見ていた。

隣では、既に眠りについた、蓮が横になっている。

俺「しょうがないねぇ」

俺は、蓮を抱き上げた。

婆「こっちゃ寝せっちぇ」

婆ちゃんの部屋に、蓮を運び布団を掛ける。

そして、居間に戻ると、俺の年越しそばを食べる若菜の姿があった。

俺「それも平成最後って事か?偽パイ」

若菜「はっ?」

俺は、再び台所で、蕎麦を暖めた。

自分だけ特別に、餅を焼いて入れた。

俺「平成最後にふさわしい力蕎麦だ」

居間で力蕎麦を、食べているとスマホのラインが鳴る。
あけおめのラインだった。
いつの間にか年を越していた。

平成最後の大晦日に、
俺達は、家族全員で初めて一緒に過ごして、蕎麦を食べた。

平成は、最後だが、
俺達家族は、これが最初で今後何度も大晦日を、過ごすだろうと思っていた。

2018年の平成最後の
大晦日の出来事。
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ReN〈蓮〉 ©著者:ダディ

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