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13章:‡雨‡
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お部屋の席に戻った。
矢菅以外の方も居たので、将也君が一言挨拶をした。
お祖父様とずっと懇意だったと言う方が、献杯の挨拶を。
皆様、お弁当の蓋を取った。
〔マッサカ旨気だな!?〕
と、あちこちで声がする。
でも、皆様はお弁当についてはそこ迄で、お互いにお酌をしながら、故人との思い出話を。
しかし、楽しい思い出話は直ぐに、今後の本家とそれぞれの岡崎家の話になった。
『………じゃ、将也は足利に移るんけ?』
と、丸岡家の小父様が訊いた。
『あっぢに、順子とサトエが居るがら。
あの2人にはもう、誰も居ねぇ。
だども祖父ちゃんにも親父にも、みんなが居てぐれっがら』
『んじゃ、岡崎はどうなるんだべサ?』
『渓流館の事も有るがら、時々は顔出すけけんど、基本的には………』
と、将也君がそこ迄言い掛けると
『嫁の責任どしで、ごいがらは俺がやってぐつもりだ!
そんに、綴りにも書いて有るし、嫁に来だ時がら、お義父さんには、先祖がらの言い付げは絶対ぇだっで言われでるがら!
だがら、ごいがらはお義父さんや寿春さんの代わりになっで、俺が全部仕切るがら!』
と、テルヨさんが言った。
岡崎家の小母様方が、ヒソヒソ話を始めた。
『なんに、小母さんはそいで納得しでるんけ?』
と、小父様がお祖母様に訊いた。
『いんや、俺はそんな話しは聞いてねぇ!
今、初めで聞いだ』
と言った。
『小母さんはどんなんだ?』
と、小父様が訊くと
『俺はそんには納得出来ねぇ。
寿春には弟だっで居るし、御爺にだっで、そごに弟が居る。
男がこいだげ居るんに、テルヨなんがには預けらんねぇ』
とハッキリ言った。
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