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13章:‡雨‡ (2/72)

渓流館に戻った。

飛鳥は、点滴のお蔭か、普段通りだった。

お通夜が、1時間後に始まる。

これ迄のご葬儀は、部落の皆様方が参列したに留まったが、今夜は他からも、礼服姿の方々がやって来た。

将也君の母上の、ご実家の皆様も。

母上も、もう退院してた。

〔じゃ、これからはオメェが岡崎家を仕切るのか?〕

母上のお兄様のようだ。

〔んだな?

金の事も有るし、お義母さんじゃ解らねぇがら。

将也も足利で暮らすっで言うし〕

〔けんど、岡崎には相当の資産が有るんだべ?

オメェが独りで仕切るっちゅー事に、他の人は賛成なんけ?〕

将也君のお祖父様、つまり母上のお父上。

と言っても、未だ若そうだった。

お祖母様と、お兄様の奥方と。

5人は、広間の片隅に固まって座ってた。

〔ワザワザ運んで貰っぢまっで〕

マキちゃんのお祖父様と、岡崎家の他の小父様方も一緒に座る。

〔なんだが、娘でいいんべけ?

後から嫁入りして、岡崎の家を仕切るなんちゅー大役をコレが担うっで事らしいけんど、こんなに立派な男衆が何人も居るっでのに〕

と、何故かテルヨさんの父上が、口許を綻ばせてる。

〔だども、そいが決まりだがら!

将也は足利に行ぐっで言っでるし〕

将也君の母上のテルヨさんは意気揚々と、周りに言った。

不思議な光景だった。

今朝方最愛のご主人が亡くなったのだ。

病に伏しての結果でさえ、普通はショックだと思う。

でも、突然に亡くなった。

財産云々なんて、考える余裕もないと思う。

そんな事は、初七日でも過ぎてから、考える事なのでは?

身近な人を亡くす。

こんなに軽い気持ちでは居られない筈。

去年、父を亡くした。

母はもう、憔悴仕切って何も手に着かず。

そんな母を妹に預けて、私は家族としてやらなければいけない事を担った。

悲しむ暇もなかった。

でも、長年連れ添った伴侶を亡くしたのだ。

私とりかを残して。

母はずっと父の傍に居た。

時々お水を替えて、お線香を上げて、ずっと泣いてた。

でも、テルヨさんにはそんな素振りもなかった。
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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