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12章:†生き霊† (2/73)

☆ASUKA☆

時代錯誤のような、レトロな診療所。

木造建築で、横溝正史の世界にでも在りそうな。

映画のセットみたいや。

外壁は、魚のウロコのように、板が幾重にも重なっとって、窓枠かて指先を滑らせたら、棘を刺しそうな。

玄関の前に、車を停めた。

ケンジはんは助手席で、相変わらず腹を抱えとった。

『なぁ?どないや?

急所は外したつもりやねんケド、未だ、呼吸がよう出来ひんか?』

本気で極めたつもりはない。

かなり加減したんやけど。

『ケンジ、加賀ん家に着いだ。

歩けるけ?』

将也が声を掛ける。

『イケる筈や?

そない入っとらん筈や?』

そない言うたら、一緒に来はったミツグはんが

『オメェが言う事じゃねぇべな?』

と言わはった。

『せやけど、ワイは、一歩も動かんかったやん?

ケンジはんが、勝手に突っ込みはった勢いだけや。

喧嘩慣れしてへんのか?

まぁ、せやからナイフ持ち歩いとんのやろケド?』

運転しとった将也が

『中に知らせで来る』

と言って、運転席を降りた。

ワイも降りる。

ミツグはんも降りはって、外から助手席のドアを開けて、ケンジはんの様子を見はる。

『オメェ、どうだ?

痛いのけ?

そいども、苦しいのけ?』

{***}

『かなり重症だべな?

ちゃんど金を取るがらな?』

{***}

『ああ、勿論だ。

警察にはちゃんど届げっがらな?』

アホや!

刃物人に向けよって、返り討ちに遭うた言うんを警察にって、どない神経しとんのや?

自虐好きなんか?

『自主しはんの?

エライ殊勝な心掛けやな?』

それしか言葉が見つからんかった。

『自主だど?』

『せやがな?潔ええやん?』

と、ワイは単純に感心しとった。

したら、ミツグはんが急に立ち上がりはって

『オメェ、今、何で言っだ?』
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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