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10章:†透視とロシア語† (2/63)

インターフォンが鳴った。

零士が、モニターをチラ見すると、玄関に行く。

ドアを開けた。

〔あ!どうも〕

零士の、少し驚いた声。

〔連絡は来てた?〕

と、とても低い声。

何処かで聞いたような?

〔はい、お世話様になります。

どうぞ!〕

予備テーブルの上のモノを、カウンターに運ぶ。

様子に気付いた飛鳥が、そのテーブルを拭く。

有弥もキッチンに来て

『珈琲でしょ?』

珈琲豆をセットした。

有弥は、ただの客人だと思ってたようだが、飛鳥は気付いてた。

『どうぞ!』

零士がリビングに促したのは、厚みの有る骨格の、大きな男性と、男性としては小柄な、細身の男性。

『あ!岡部さん!』

と思わず。

ルイの友人。

以前、私が寺田幸の一族と関わった時に、お世話になった刑事さん。

目茶苦茶低い、艶やかな声。

バリトン?バス?

そんな声域。

足利署の刑事さんだった。

お連れは一方。

『向井です』

と手帳を見せた。

『どうぞ、お座り下さい!』

まさか、刑事さんが来るなんて思わなかった。

そう言えばさっきの電話で、来るとか来ないとかって。

篠部さん達の表情に、かなりの緊張が表れてる。

向井刑事は、その3人が居るテーブルに、まっすぐ向いた所、サンルームに背中を向けて、座った。

岡部刑事は、角を挟んだ隣に、キッチンに背中を向けて座った。キッチンに向いて座ってる、篠部さん達3人の様子が判るように。

飛鳥がさり気なく、灰皿を置いた。
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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