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9章:‡怪しい影‡ (47/47)

結局私は、鰻と騙され蛇を喰った話をする羽目になった。

開き直ったので、生き血の話もした。

が、いよいよ、お喋り飛鳥が黙り込んだので、打ち切った。

その時、電話が鳴った。

何故かとてもけたたましく感じた。

飛鳥も、そうだったようで、思わず耳に手を当ててる。

零士が立ち上がって、電話を取った。

『はい、煌璃です』

そう言った零士が、とても険しい表情になり、返事も忘れて受話器を耳に押し当てる。

『何時気付いた?』

『……………じゃ、もう来てるんだな?

…………………ああ、未だ居る。

今飯食ってる。

そっちはどんな様子だ?

…………じゃ、その話しは、通用したのか?

そっか?

兄さん達は?

…………ああ、勿論だ、此処に居る。

大丈夫だ、有弥も帰ってるから。

幹耶、お前ポケベル持ち歩いてくれ!

他誰が持ってる?……………

ああ、解った、番号は?………

此処の番号を、ちゃんと告げとけ。

ああ、俺のを稼働させる。

メッセージでもいいから。

じゃ、もう来るんだな?

解った!

連絡待ってる』

零士が電話を切った。

意味も解せないまま、空気が凍って行く。

零士は無言でロウボードから、自分のポケベルを取り出した。

『兄貴、どないした?』

『……………』

零士が、冷たい流し目を、飛鳥に送った。

飛鳥が、物の怪のように無表情になって、その気配を変えた。

お猿は、その空気を感じ取りながら、止めてた動作を再開させた。

将也君が、何かを問うように、私達に厳しい視線をゆっくり移動させると、篠部氏達の所で、瞬きも忘れたかのように、凝視した。

間もなく、インターフォンが鳴った。
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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