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8章:†杏里ちゃん† (51/52)

『…………細かく観察しで戴いで。

未だ会ってないですけんど、先生の話しは、俺の想像通りです。

ずっど、放置されでたみたいですがら。

知覚障害も懸念しでます。

コミュニケーション不足でそうなのか、元々障害が有るのか。

俺も、仮に引き取る事が出来だどしでも、専門的な教育は不可欠だど思っでました。

お話伺う限りじゃ、杏里は自閉症は間違いないと思います。

勿論それだけじゃないですけんど』

『さすがにご理解が早いわ。

失礼ですけどどちらを?』

奥様は、将也君を見抜いてた。

『新潟大学です。

でも、現場経験はまるでねぐで』

『まぁ!優秀な方』

『いえ。大した事は。

たんだ出たっでだけで、現場経験もねぐで。

しがし、そんな状態で預かって貰っですみません。

あんの、他の子にも影響が出ますがら………』

と言って私をチラ見した。

『私は構わないよ?

部屋も空いてるんだし』

と言うと

『いや、今はこのままの方がいい。

担当の先生と信頼関係が出来つつ有るから。

環境を変えたら、また、1からのスタートになるし、下手したら、マイナスからのスタートになる』

と幹耶が言った。

『澤田先生の仰る通りだと、私も思いますよ?

大丈夫ですよ。

それに、子供達だって、いい勉強です。

悪影響なんて事は有りませんから』

と、奥様が仰った。

将也君は、少し考えてから

『宜しくお願いします』

と、頭を下げた。
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‡ふぁみりぃず‡ ©著者:Jude(ユダ)

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