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6章:†お金と人権†
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温泉地には大抵、病院が在る。
しかも結構な規模の。
我が家の渓が中学卒業後、養子縁組した所も、栃木県北部の、温泉地の病院の院長先生のお宅だった。
この麓町にも在った。
この辺のお湯は、私のような、アレルギー体質に、とても効果が有るようだった。
それに、個人的に感じたのだが、代謝がメッチャ促進されてる。
低血圧と言うのは、当然だが、代謝は宜しくない。
無粋な事で申し訳ないが、便秘。
これも常。
しかし、今朝は結構なお通じが♪
温泉効果だろうか?
スッキリしてて、体が軽い!
しかし、今の空気は重かった。
私が篠部家のガレージに行った時には、もう、タケシさんは地面に転がってた。
それと、私が話をしてる、あの、超神経質で攻撃力の高いお父様も。
しかし、事態は一刻を争った。
サトエさんは、もう、白目を剥いたまま、意識をなくしてたのだ。
救急車を呼ぶ?
そんな余裕もなかった。
麓町の消防署から、此処に来る迄、結構な時間が掛かる。
それじゃ、間に合わない!
そう思った。
とにかく、飛ばした。
でも、飛ばすにしても、そーっと、体を出来るだけ揺らさないように。
怖かった。
生きてるのかどうか、それを疑いながら、此処に来た。
有弥と飛鳥は、現場に残して、零士と一緒に、プレリュードで。
サトエさんは処置室から、直ぐに手術室に移された。
顔は原形留めてなかった。
元々、面長の人だったのに、横に膨らんでた。
髪も毟られ、口から泡を吹いて、片方の目は、もう、目蓋が開かない状態だったのに、片方は、白目を剥くほど、目蓋が捲れてた。
有弥も飛鳥も、さすがにマジギレしたようだった。
ただ、飛鳥はマジギレでもいいが、有弥がそうなるのはマズイ。
あっと言う間に殺してしまう。
零士が何とかそれを抑えてた。
が、私はサトエさんを見て、足がすくんで、立ってる事も出来なかった。
とにかく、救急車!
と頭のなかにはそれしかなかったのだが、後から駆け付けた冬真君の話だと、最低でも20分は掛かると言われた。
救急車を呼べば、警察も来る。
飛鳥も有弥も、それなりの制裁を加えてたので、傷害なんて事にもなり兼ねなかった。
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